2008年 04月 29日
13億の阿Q |
長野の北京オリンピック聖火リレーのTV中継で、沿道を埋め尽くす赤い中国国旗や中国人たちを観ていて、中国の作家、魯迅(ろじん)の小説、『阿Q正伝』(あきゅうせいでん)を思い出しました。
この小説は、阿Qと言う名の男の一生を描いた作品です。
阿Qは、水飲み百姓の倅で、仕事も金もなく、女性にももてず、容姿も性格も最低の男ですが、心の中では自分は素晴らしい人間であると信じています。
村人達からいくら馬鹿にされたり、からかわれたりしても、まったく気にせず、他人は自分の真価を見抜けないのだと思い込んでいるのです。
そして、そのような根拠のないうぬぼれを抱いたまま、革命に巻き込まれ、あっけなく死んでいきます。
魯迅は、この阿Qを中国の無知蒙昧な民衆になぞらえて風刺したのです。
井の中の蛙で世界を知らず、世界中から馬鹿にされたり、蔑まれたりしていながら、自分達、中国人は世界一優秀な民族で、中国人以外はすべて野蛮人であると思い込んでいる愚かな中国の民衆、それが阿Qなのです。
この小説は、庶民でも読める白話と呼ばれる口語体で書かれていたこともあり、出版当時、中国で話題になり、ベストセラーになったそうですが、作品が発表されてから80年以上の歳月が経っているにもかかわらず、中国人は相変わらず、阿Qのままに留まっているようです。
ハリウッド映画に出演しているある中国人女優が世界中で起きている中国のチベット弾圧に対する抗議活動について訊かれて、「めざましい経済発展を遂げている中国に対する嫉妬の現れだ」と答えたそうですが、これなんか、すべて物事を自分に都合の良い方に解釈する阿Q的思考の典型です。
実際、チベット問題や先頃の毒入りギョーザ事件での中国政府の身勝手で非常識な対応を見ていると、中国人がいかに唯我独尊で、他人の気持ちに無神経な民族であるかよくわかります。
パリやロンドンで聖火リレーが妨害を受けた結果、同様の妨害が予想されたオーストラリアと日本では、現地の中国大使館に命じて中国人留学生を大量に動員し、聖火リレーの応援をさせましたが、
その結果、聖火リレーの沿道が中国の赤い国旗とそれを掲げる中国人で埋め尽くされるという異様な事態になったのです。
あのような光景を見て、オーストラリア人や日本人がどのように感じるか、中国人は考えたことがないのでしょうか?
中国政府の打つ手、打つ手がその思惑とは正反対の効果を生み出しているのに、KYの代表のような彼らはそれを理解できないでいるのです。
そもそも、今から思うと、世界各地を聖火リレーが巡るという計画自体、完全に誤算でした。
中国政府はそれによって国威発揚を期待したのでしょうが、その思惑とはうらはらに、聖火リレーは、中国によるチベット弾圧に対する抗議活動の絶好の機会になり、中国の国威は高まるどころか、完全に地に堕ちてしまったのです。
今回の一連の騒動であらためて明らかになったのは、中国という全体主義独裁国家とその国民の異質性、後進性、不気味さで、正直いって、私もここまで酷いとは思っていませんでした。
聖火ランナーと並走する、あの無表情なロボットのような青ジャージー姿の「聖火護衛隊」の傍若無人な振る舞いだけをとっても、世界中の人々の中国人に対する心証を相当、悪くしたはずです。
この予想を超える中国人の阿Q的行動の結果として、北京オリンピックが史上最低のオリンピックになることは間違いないでしょう。
まだオリンピックが始まっていないのにこの騒ぎですから、大会中は、いったい、どんな馬鹿なことをやらかしてくれるか、今から楽しみというか、怖いというか・・・
それにしても、善光寺はリレー会場を辞退しておいてよかった。
あの境内が長野駅前広場のように赤い国旗で埋め尽くされ、中国人が乱暴狼藉を働いたかと思うとゾッとします。
下記のサイトでは、パリが中国人民解放軍に占領されてしまうというフランスのコメディ映画、「パリの中国人」のビデオクリップが観られます。
占領軍の司令官を演じているのは、若き日の長塚京三です。
Les chinois à Paris
ttp://www.dailymotion.com/video/x4wbrt_les-chinois-a-paris-bandeannonce_shortfilms
by jack4africa
| 2008-04-29 00:17
| 国際関係