2008年 08月 05日
スワジ族の男同士のセックス |
スワジランドは、南アフリカ共和国とモザンビークの間に挟まれたスワジ族の小さな王国です。
スワジ族の男性は少年時代に家畜の世話をまかされるのですが、草原に放牧した家畜の番をする合間に仲間の少年同士、誘い合って近くの森に入り、男同士のセックスを楽しむ習慣があったそうです。
アフリカ版ブロークバック・マウンテンといったところでしょうか(笑)
この少年達によって行われる男同士のセックスの習慣をスワジ族の言葉でアマンタニュラと呼びます。
アマンタニュラを行なうことが許されるのは16歳以上の少年だけで、彼らはまず同じ年頃の同性の仲間とセックスすることで、自分が一人前にセックスができる「男」であることを証明して、女性とセックスする資格を得られるようになるのだそうです。
この思春期の少年同士の性的関係は、彼らが属する村落共同体では公認されていて、少年達の親は自分の息子がアマンタニュラを行なうようになったと聞くと、これで息子も一人前になったと喜んだそうです。
少年達はやがて成長して、女性と結婚するのですが、結婚後も男同士のセックスの習慣を完全に放棄することはなく、回数は減っても、男との関係は続くそうです。
スワジ族の男は、「純粋な男」であり続けるためには、結婚したあとも、ときどきは男同士の世界に浸ることが必要であると考え、自分の中のエネルギーが枯渇してきたと感じると、森に行って男とセックスして男らしさのエネルギーを補給するのだそうです。
つまり、スワジ族にとっての男同士のセックスは、男として一人前になるために必要な男らしさを獲得するための手段であると同時に、一度、獲得した男らしさを保持するための手段でもあるわけです。
ニューギニアには、精液は男らしさの源であると信じ、少年がオトナの仲間入りをする通過儀礼でオトナの男とセックスして、その精液を自分の体内に注入する部族がいることが知られていますが、スワジ族の男同士のセックスもそれに似た意味合いがあるのかもしれません。
このような形の男同士のセックスは、西洋流の「同性愛」の概念とは大きく異なります。
事実、スワジ族の間では、アマンタニュラの習慣は許容され、奨励されていたものの、一般的な「同性愛」の習慣とは明確に区別され、通常の「同性愛」はむしろ嫌悪されていたといいます。
アマンタニュラと普通の同性愛のどこが違うのか、外部の人間には理解しがたいのですが、スワジ族の男性の大半は、思春期の一時期に男同士のセックスの習慣をもっていたとしても、
またオトナになってからも、ときどきは男とセックスしていたとしても、成長してオトナになると女性と結婚して子供を作るわけですから、その意味では彼らを同性愛者と呼ぶのは適当ではないのかもしれません。
このアマンタニュラの習慣は90年代初めまで、スワジランドや隣接する南アフリカの部族の間でかなり大っぴらに行なわれていたそうですが、西洋流の同性愛の概念がこの地域に浸透するにつれて、
アマンタニュラも「同性愛行為」とみなされるようになり、少年達は「同性愛者」のレッテルを貼られるのを恐れて、アマンタニュラを行なっていることを隠すようになったそうです。
かってはアマンタニュラを息子や少年に奨励していた両親や村人も、自分達の息子や村の少年が「同性愛者」と見られることを恥じて、現在では外部の人間にアマンタニュラについて訊かれても一切、答えなくなっているといいます。
アマンタニュラは、スワジ族にとって、少年がオトナの仲間入りをするための重要な通過儀礼であると同時に、同じ村落共同体の成員の間の絆を深め、連帯感を高める効果を持つ伝統的な習慣でした。
それが西洋文明の悪しき影響によってもたらされた白人の病気であるとスワジ族が考える「同性愛」と一緒に見られるようになって、彼らは当惑し、侮辱を感じているのだそうです。
あるスワジ族の男性は次のように語っています。
「俺は今でもときどき、森に行って男同士のセックスを楽しんでる。俺はそのことを恥ずかしいことだとはちっとも思っていない。だけど男とセックスするからといって、ホモだとかオカマだとか、ゲイだとかバイだとかレッテルを貼られるのはまっぴらゴメンだね!」
「みんな同じ人間なのに、なんでいちいちそんな風に人間をカテゴライズしなきゃなんないのか、俺にはよく判らないね。だれかにそいつの性的指向について訊くのは、そいつのペニスはどれくらい大きいかとか、いつもだれと一緒にセックスしているかとか、セックスするときはどんな体位をとるか、などど訊くのと同じくらい馬鹿げた質問だと思うね」
その言やよし! 是非、その心意気で欧米のゲイリブ・ファッショに抵抗してもらいたいものです。
参照ウェブサイト:Behind the Mask, Swaziland, amantanyula
by Ishy
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by jack4africa
| 2008-08-05 00:10