2009年 02月 13日
サベツなんて最初からなかった |
先日、若い友人(といっても30代ですが)に会ったとき、前から読みたいと思っていた三島由紀夫の小説、『禁色』をやっと読破したけど、
小説に描かれている当時(1950年頃)の日本のホモたちがけっこう自由気侭にゲイライフをエンジョイしているのを知って意外な気がしたと語っていました。
彼は、ゲイリブのいう「昔の日本ではホモは隠花植物のように隠れてこそこそ生きていた」という嘘八百を信じ込んでいたみたいで、
日本には当時からすでにゲイバーやホモのハッテン場が存在し、お仲間を見つけるのに苦労しなかったという事実を知って驚いたようです。
私は逆に今どき、ゲイリブの語るそんな与太話を本気で信じている人間がいることに驚かされましたけどね。
「ホモは隠花植物のように隠れてこそこそ生きていた」という話は実は日本の話ではなくアメリカの話なのです。
『禁色』が描かれた当時、アメリカでは宗教上の理由で同性愛がタブー視されていただけでなく、アメリカのすべての州で同性愛行為を禁じるソドミー法が存在し、
NYのような大都会でもゲイバーは隠れてこっそり営業していて、客はいつ、警察の手入れがあるか、びくびくしながら酒を飲んでいたのです。
運悪く、警察の手入れに遭遇して、警官に捕まったときには、警官たちから「おかま野郎」と罵られ、暴力を振るわれても我慢するしかない状況が続いていて、
そのような過酷な状況に耐えかねたゲイたちが窮鼠猫を噛む式に警官たちに反撃に出たのがあの有名な「ストーンウォール事件」で、それがきっかけでアメリカでゲイリブ運動が盛んになったのはご存知のとおりです。
翻って日本の状況はどうだったかというと、アメリカのように同性愛が法律で禁じられるようなこともなく、宗教的なタブーも存在せず、みんな気楽にホモをやっていたのです。
私が高校生で二丁目デビューを果たした60年代後半は、アメリカでストーンウォール事件が起こった時期と重なりますが、
当時の日本のホモたちは、二丁目のゲイバーに警察の手入れが入るなんて考えもしなかったし、警官を怖がるどころか、二丁目の交番の若いおまわりをからかって楽しんでいたくらいです。
日常生活でも、オネエ丸出しだったけど、そのことで特にサベツされたこともなかったし・・・
実際、当時、一緒につるんで遊んでいたホモ仲間と「同性愛者サベツ」について語りあった記憶がまったくないんですよね。
それではいつから日本でホモがサベツされるようになったかというと、90年代前半、ゲイリブを自称するホモが現れるようになってからだと思います。
彼らが「自分たちゲイはサベツされている」と主張するようになってはじめて、日本では「同性愛者に対するサベツ」が存在するようになったのです。
つまり、ゲイリブのいう「同性愛者に対するサベツ」というのは、ゲイリブの被害妄想が生み出した彼らの脳内にしか存在しない「サベツ」で、実体を伴うサベツではなかったのです。
日本には存在しないサベツを存在すると言い張るゲイリブみたいなケッタイな連中がなぜ生まれてきたかというと、もちろんアメリカのゲイリブ運動の影響があったと思いますが、
その種を撒いたのは、『薔薇族』編集長の伊藤文学さんではなかったかと私は考えています。
私は日本ではじめてホモ雑誌を創刊した伊藤さんの功績を認めるのにやぶさかではありませんが、
「自分は世間から孤立しているカワイソーなホモを救うために雑誌をやっている」という彼の偽善的な(とあえていわせてもらいます)態度がどうしても好きになれませんでした。
その点、「同性愛者を救うため」などという押し付けがましいスローガンを掲げずに、あくまでも商売としてホモ雑誌を発行するという、ライバル誌の『さぶ』のビジネスライクな姿勢の方が潔くて好感がもてたし、内容も面白かったです。
伊藤さんは、ある雑誌が自分のことを「同性愛が絶対的に忌避され、ゲイたちが息をひそめて生きていた時代、彼らのために立ち上がったノンケの男」として紹介してくれたと嬉しそうにブログに書いていますが、
現実には、日本の過去の歴史で「同性愛が絶対的に忌避され、ゲイたちが息をひそめて生きていた時代」が存在したことなど一度もないのです。
それでも、「日本のホモの救世主」を自認する伊藤さんにとって、『薔薇族』が創刊されるまでは、日本のホモは隠花植物のように息をひそめて生きていたのが、自分が『薔薇族』を創刊したお陰でやっと息をつけるようになったという「伝説」が広まるのは好都合なのでしょう。
伊藤さんはつねにホモのことを「カワイソーな同情すべき人間」としてみていて、私みたいな他人から同情されるのが大嫌いな人間は、そのように見られることに強い反発を覚えたのですが、
中には、そんな風に同情されるのが好きなホモもいて、『薔薇族』の紙面はそういうホモからの「ホモであることで悩んでる」とか「ホモであることが苦しくて死にたい」とか、読んでいるだけでうんざりするような陰々滅々たる投稿で溢れていました。
ということは、現実にホモであることでサベツされ、悩んでいた人間が多数いたということじゃないか、といわれるかもしれませんが、現在、ゲイリブ団体に集ってくる「悩めるゲイ」と同様、
そういう連中の大半はネットなんかで「メンヘラ」と呼ばれているメンタル面で問題を抱えている人間で、彼らの本当の問題は同性愛者に生まれたことではなく、日本のような同性愛に寛容な国に生まれ、キリスト教徒でもないのに、同性愛者であることを過剰に意識して悩むその特異な精神状態にあるのです。
そして、その原因をたどっていくと、同性愛とは直接、関係のない、本人の家庭環境や親子関係に行き着くことが多いのです。
伊藤さんはこのような「悩めるホモ」に「同情」して、つねに優しい言葉をかけていましたが、本当は、
「たかがホモに生まれたくらいでクヨクヨするな!」
と叱咤激励すべきだったのです。
彼が「悩めるホモ」に同情し、甘やかしたお陰で、
「自分がホモに生まれて苦しい思いをするのは社会のせいだ」
などと個人的な問題を社会に責任転嫁し、
「ホモに生まれたお陰で小さいときから女っぽいといわれて苛められ、辛い思いをして生きてきた」
などと泣き言を並べたら、世間が同情して選挙で自分に投票してくれるのではないか、などとほんの僅かでもプライドがある人間であれば、絶対、思いつかないような情けないことを考えて選挙に出馬し、
見事、落選するという失態を演じた石坂わたるのような幼稚で甘ったれたホモが出てきたのです。
実際、伊藤さんはブログで石坂わたるのことを応援してましたから、言ってみれば、石坂わたるは伊藤文学が生みだした子供みたいなもんです。
そもそも伊藤さん自身、一時期、政界進出に色気を見せていて「日本には200万から300万の同性愛者がいるから、その半分でも自分に投票してくれれば、参院選でトップ当選できる」などとどこかで聞いたような話をしていたのですが、
伊藤さんのライバル(?)だった東郷健が何度、選挙に出ても、泡沫候補並みの票しか得られなかったことを思えば、選挙に出馬しなくて正解だったでしょう。
一昨年、選挙に出馬したゲイ候補の石坂わたるとレスビアン候補の尾辻かな子は、伊藤さんの政界進出の野心を受け継いだともいえますが、この二人がゲイリブたちの必死の応援にもかかわらず、一般同性愛者の支持を得られずに惨敗したことで、
ゲイリブの間でもようやく、日本の大多数の同性愛者は現状に満足していて、自分たちを「サベツされる少数者」であると感じているのは同性愛者の中でも極く少数派に過ぎないリブ釜くらいしかいないという認識が広まってきているようです。
それはそれでけっこうなことですが、その結果、彼らは
「最近はゲイに対するサベツがなくなってた」
というようになってきているのです。
つまり、かっては日本の同性愛者はサベツや偏見に苦しんでいたけれど、自分たちゲイリブが出てきて、ゲイの人権のために闘ったお陰で、日本のゲイをめぐる環境が改善され、同性愛者に対するサベツがなくなってきた、と彼らはいいたいわけです。
冗談じゃない! お前たちがいったい、なにをやったんだよ!
日本には存在しない同性愛者サベツをマッチポンプで無理やり捏造し、公園でハッテンしていたホモが金目当ての不良グループに襲われて殺された単純な強盗殺人事件をゲイバッシングに仕立てあげて大騒ぎし、
どうでもいいような些細なことに因縁をつけて東京都相手に裁判を起こし、重箱の隅をほじくるようにして「サベツ」のネタを見つけては抗議を繰り返して一般ホモの失笑を買い、
「どこからこんなのを見つけてきたんだよ!」といいたくなるような、ふた目と見れない妖怪みたいな露出症のホモを集めて、ゲイパレードと称する悪趣味な仮装行列をやって一般ホモの顰蹙を買い、
その仮装行列をマスコミが報道しないといって抗議して無視されて、また一般ホモに嗤われ、散々、醜態を晒したあげく、仲間割れしてホモ行列が中止になったのはご同慶の至りだけど、
これまでゲイリブがやったことで唯一、一般ホモから評価されたのはあの悪趣味でみっともないゲイパレードを中止したことだけだということを知らんのか!といいたいですね。
強いて日本のゲイリブの功績を挙げるとしたら、同性愛者に対する確たるサベツが存在しない日本で、アメリカのゲイリブのサル真似をして、いくら「サベツ反対」を叫んでも、
一般国民はもちろんのこと、当の同性愛者たちからもまったく関心をもたれることがないことを身をもって証明したことでしょうが、そんなことわざわざ証明してくれなくても、ゲイリブ以外の大多数のホモには、最初からわかってたことだし、
本当に「百害あって利権あり」とは、日本のゲイリブのことをいうんじゃないでしょうか。
by jack4africa
| 2009-02-13 00:03
| ゲイリブという幻想

