2010年 04月 23日
リッキー・マーティンのカミングアウト |
「私は幸せな同性愛者だと誇りを持っていえる。自分が自分であることに感謝している。」
という彼の声明文を読んで、なんとなく痛々しい感じを受けたのは、私だけでしょうか。
リッキー・マーティンのゲイ疑惑はかなり前からあったそうで、マスコミのインタビューなんかでもしつこく追及されていたといいます。
日本の場合、ネタ切れの週刊誌が「芸能界ホモ相関図」などという特集をたまに組むことがありますが、
ホモ疑惑のある芸能人に面と向かって、「あなたはホモですか?」などと訊くことはありません。
日本人にとって、ホモであるかどうかは個人のプライバシーに属する事柄だから、むやみやたらに詮索することではないという暗黙の了解があるからでしょう。
ところが、欧米のマスコミはゲイ疑惑のある有名人に対して、容赦なく「あなたはゲイではないか?」と訊いてくるんですよね。
そしてその質問に対して明確に否定せず、曖昧な答え方をすると「ますます怪しい」と騒ぎ立てるわけです。
リッキー・マーティンも、長年にわたってゲイ疑惑を追及され、それを隠し続けることに好い加減、疲れ果て、カミングアウトに踏み切ったのではないのでしょうか。
それでも、カミングアウトの時期については、慎重に選んだ形跡が窺えます。
彼は最近、回想録を書くことに決めて、それがカミングアウトのきっかけになったと語っていますが、
回想録というのは普通、現役を引退した人間が書くもので、現役バリバリで活躍している人間が書くものではありません。
彼の人気が絶頂だった1998年のフランスのワールドカップのテーマソングを歌っていた頃は、女性ファンの手前、カミングアウトは絶対に無理だったでしょう。
現在は、昔ほどの人気はなくなってるし、今、歌手を辞めても、一生、遊んで暮らしていけるだけの金は貯め込んでるし、
この時点でカミングアウトしても、今後の自分の人生に大きなダメージにはならないだろうと判断して踏み切ったのだと思います。
それにしても、ゲイリブの運動によって、ゲイはカミングアウトするのが正しいという考え方が広まったお陰で、
リッキー・マーティンのようなゲイの有名人がカミングアウトすべきかどうかの選択を迫られ、悩むようになったのは気の毒なことです。
なぜ、これほど欧米でゲイに対するカミングアウトのプレッシャーが強いかというと、やはり、キリスト教の影響が大きいと思いますネ。
カミングアウト(告白)というのは、キリスト教の告解に似ていると思います。
キリスト教では、同性愛は罪とされているので、同性愛行為に耽った人間は、教会に行って神父や牧師に罪を犯したことを懺悔し、赦しを乞わなければなりませんが、
ゲイリブの考え方では、ゲイであることを隠して生きていることが罪であり、ゲイであることを世間に公表して、自分はゲイであることに誇りを持っていると宣言しなければならないことになっているのです。
キリスト教が同性愛を全面否定しているのに対して、ゲイリブは同性愛を全面的に肯定しているわけですが、
ゲイリブもまた、一神教に固有の不寛容さ、教条主義、独善主義を受け継いでいる点は同じで、
「同性愛者はこうであらねばならない」というステレオタイプの同性愛者のイメージの押し付けに躍起になっているのです。
そういう意味では、私にはゲイリブが、キリスト教の一宗派にしかみえません。
西洋人というのは、個人のプライバシーにまでいちいち干渉してくる「嫉妬深い」キリスト教の神にうんざりして、そんな神に反抗してみたり、「神は死んだ」などといって神の存在を否定してみても、
キリスト教的思考が骨の髄まで染み込んでいて、なにをやるにしても、お釈迦様の手のひらならぬ、キリスト教の神の手の中でジタバタもがくことしかできないのではないかという気がします。
非キリスト教徒の同性愛者である私は、自分が罪深い人間であるなどとは毛頭、考えていませんが、だからといって、同性愛者であることを誇りたいとも思いません。
男のチンポをしゃぶったり、ケツの穴を舐めたりするのが好きなことを、なんで誇りに思わなければならないのか、さっぱり理解できないのです。
あとリッキー・マーティンには、人工授精で作った双子の子供がいることを今回のニュースで初めて知りましたが、
欧米のゲイやレズが人工授精や養子縁組までして子供を持ちたがる理由も、日本人のホモである私にはよく理解できません。
それにしても、リッキー・マーティンとSEXして、彼の子供を産みたいと熱望する女性ファンは世界中に何百万もいるだろうに、わざわざ代理母を使って子供を作るなんて・・・
「リッキー、あたしがいるじゃないの!」
という女性ファンの恨み節が聞こえてきそうです。
ついでに、
「あの腰ふりは、なんだったのよ!」
という怒りの声も・・・
リッキーはカミングアウトして、長年、悩んでいた便秘が治ったみたいにスッキリしたかもしれませんが、
その陰には、リッキーに裏切られて不幸になった女性ファンが沢山、いる筈です。
by jack4africa
| 2010-04-23 00:18
| ホモ・ゲイ・オカマ