2010年 06月 15日
カンボジア熱々旅行(4) |
☆ シアヌーク前国王
シアヌーク前カンボジア国王ほど波乱万丈の人生を送った王様はほかにいないでしょう。
フランス統治下の1941年に18歳でカンボジア国王に即位。
前述した日本軍によるフランス軍の武装解除を受けて、1945年に日本軍の後ろ盾を得てカンボジアの独立を宣言しますが、日本が戦争に負けたために、カンボジアは再びフランスの植民地に戻ります。
しかし、シアヌークはその後もフランスと粘り強く交渉し、1953年についにフランスから完全独立を勝ち取ります。
独立を達成したシアヌークは、1955年に王位を父親に譲り、政治団体「社会主義人民共同体」を結成、その総裁に就任し、同年、実施された総選挙で圧勝し、首相兼外務大臣に就任します。
シアヌークは、「王制社会主義」と呼ばれた王制の下での社会主義政策を打ち出し、外交面では非同盟主義の中立政策を掲げ、
冷戦の続く中、東西両陣営から援助を引き出すことに成功し、隣国のベトナムやラオスが戦火に巻き込まれる中、カンボジア国内の平和を守ります。
この頃がシアヌークの絶頂期だったと思いますが、かねてからシアヌークが中国や北ベトナムと仲良くしていることを快く思わなかったアメリカは、
1970年にロンノル将軍をけしかけて、シアヌークの外遊中にクーデーターを起こさせます。
親米派のロンノル将軍は、アメリカ軍と南ベトナム軍がカンボジア領内に侵攻して、ホーチミンルートのベトコンを追撃することを認め、その結果、カンボジアは戦乱に巻き込まれることになります。
アメリカは第二次大戦中に日本に投下した量の3倍にも当たる爆弾をカンボジアに投下したそうで、その結果、何十万ものカンボジア国民が殺害され、米の生産量が激減、国内で深刻な食糧不足が起こります。
このような状況の下、農民の間で反ロンノル感情が高まり、それがポルポト率いるクメール・ルージュの台頭を許します。
クメール・ルージュことカンボジア共産党は、シアヌーク体制下で非合法化され、武装ゲリラ化して反政府活動を行っていましたが、その勢力は微々たるものでした。
そのクメール・ルージュが勢力を伸ばしたのは、ロンノル政権の失政に加えて、農民の間で人気が高かった、北京に亡命中のシアヌークがポルポトを支持したことが大きかったといわれています。
シアヌークは、クメール・ルージュを後押しする中国の説得を受けて、かって自分が弾圧したクメール・ルージュと組んでロンノル将軍=アメリカに対抗することを決断するのですが、この決断は彼の人生で最大の痛恨事となります。
1975年にクメール・ルージュは、ついにカンボジア全土を統一し、ロンノル政権は崩壊します、
シアヌークは、クメール・ルージュが成立を宣言した「民主カンプチア」の国家元首に就任しますが、それは名目だけで、なんの権限も与えられず、さらに2年後には、国家元首の地位まで剥奪され、王宮に幽閉の身になります。
シアヌークが第六王妃のモニク妃と彼女との間にできた王子で、後の国王になるシアモニとともに亡命を許されたのは1979年、
カンボジアに侵攻したベトナム軍がプノンペンに迫っているときで、5人の子供と14人の孫をクメール・ルージュに殺害されたあとでした。
その後、カンボジアでは、ベトナムの後押しを受けたヘン・サムリン政権と、クメール・ルージュとシアヌーク国王派、ロンノル派の流れをくむソンサン派の三派連合との間で長い内戦が続きますが、
1993年に国連の仲介でようやく和平が成立。10数年ぶりに亡命先から帰国したシアヌークは国民の歓呼の声に迎えられ、国王に復位します。
しかし、10年後の2004年に突然、退位を発表。王位を息子の現国王、シアモニに譲ります。
現在、87歳で健在だそうです。
☆ シアモニ現国王
カンボジアでは、レストランや商店によく国王の肖像写真が掲げられていますが、シアモニ現国王の写真が単独で掲げられることはなく、必ず、彼の両親であるシアヌーク前国王とモニク妃の写真とともに掲げられています。
しかも、真ん中に掲げられているのは常にシアヌーク前国王とモニク妃の写真で、現国王の写真はその横につけたしのように掲げられていて、現国王の写真のサイズがほかの二人の写真のサイズよりも小さいことも多いです。
このことは、カンボジアではいまだに前国王のシアヌーク殿下の人気が高く、新国王の人気はいまひとつであることを示しているように思えます。
シアモニ国王は、5月に来日されていますが、若い頃、チェコのプラハでクラシックダンスを勉強されたそうで、1979年に両親とともに亡命したあとは、パリで10年間、ダンス教師をされていたそうです。
現在、57歳ですが、ずっと独身で、子供はいないといいます。
実はシアヌーク前国王は、2004年に同性婚を擁護する発言をされたそうで、もしかして、世界で初めて同性婚する王様が誕生?
続く
カンボジア熱々旅行
本日のつぶやき:
日本、勝ちました!
by jack4africa
| 2010-06-15 01:04

