2011年 07月 19日
多文化共生という幻想 |
前回、日本に帰化して日本人になりながら、日本人としてのアイデンティティーを持たず、
あくまでも在日としてのアイデンティティーを持ち続ける元在日のサッカー選手を取り上げましたが、最近、このような元在日の帰化人が増えてきているみたいです。
そう思うのは、白真勲(ハクシンクン)という元在日韓国人で日本に帰化した政治家の話を聞いたからです。
彼は在日韓国人として生まれ、大学卒業後は朝鮮日報という韓国の新聞の日本支社で働いていたそうですが、2003年に日本に帰化して日本国籍を取得。
その翌年の2004年に菅直人(!)の推薦を受けて参議院選挙区の比例区に民主党公認候補として立候補して当選したといいます。
彼は在日外国人の参政権の獲得を公約に掲げていて、当選直後には民団中央本部を訪れて「これから在日の参政権獲得のために頑張る」と挨拶したそうです。
つまり、彼は最初から在日韓国人を支援するために政治活動を行う目的で日本国籍を取得して民団等の在日組織の応援を受けて日本の国会議員になったわけで、
そんな彼が当選できたのは、日本の選挙権を持つ相当数の元在日帰化人が彼に投票したからではないでしょうか。
フツーの日本人の有権者で彼のような元在日を売り物にしている帰化人に投票する人間は少ないと思いますから。
以前、このブログで紹介したことのある日本に帰化した韓国系日本人の鄭大均首都大学教授は、その著書、「在日韓国人の終焉」で、
日本の在日コリアンの日本社会への同化は着実に進んでおり、あと数十年も経てば日本から在日と呼ばれる集団は消滅するだろうと予測しています。
在日も3世とか4世になるとメンタリティーは日本人と変わりなく、日本に生まれ育ち、日本語を母語として話し、韓国や北朝鮮に帰国する気はまったくなく、
このまま日本に住み続けるのであれば、日本に帰化して日本人になるのが自然だし、事実、そうなっているというのが鄭教授の主張で、私もまったく同感なのですが、
日本に帰化しておきながら、日本人であるという自覚を持たず、在日としてのアイデンティティーを持ち続ける括弧付きの「日本人」が増えるのは、日本にとってよくないと思います。
日本社会の中に日本社会に同化することを拒絶する異質な民族集団を抱え込むことになるからです。
このような日本社会への同化を拒否する生き方を正当化するために、在日韓国人や朝鮮人がしばしば使うのが「多文化共生社会」という言葉です。
「多文化共生社会」というのは、1つの国の中に人種、宗教、国籍、等が異なる集団が存在する場合、互いの違いを認め、尊重し合う社会で、
日本もそのような社会を目指すべきであるというのが彼らの主張ですが、それは口でいうほど簡単ではありません。
ユダヤ人とアラブ人が対立するパレスチナをはじめとして、ヒンズー教徒とイスラム教徒が対立するカシミール地方、シンハラ人の政府軍とタミール人ゲリラが内戦を続けるスリランカなど、
世界の紛争というのは必ず、異なる民族や異なる宗教を信じる人間が同じ地域に居住していることが原因で起こっています。
逆に複数の民族や宗教の信徒が仲良く共存している国や地域を見つけることの方が難しいです。
私にいわせれば、「多文化共生社会」などというのは、カナダやアメリカ合衆国やオーストラリアなど広大な国土を持ち、最初の入植者である世界で一番、野蛮で残虐な人種であるアングロサクソン人種が、
先住民を皆殺しにして自分たちの国を創り、アングロサクソン以外の人種の移民を選別、差別しながら徐々に受け入れてきた移民国家以外では実現不可能な絵空事でしかありません。
事実、これまで多文化主義の政策を推し進めてきたオランダやスウェーデンやドイツなどのヨーロッパ諸国では、その見直しが始まっています。
ヨーロッパ諸国は国内に多くの移民を抱えているのですが、多文化主義の政策を採用した結果、移住先の社会に同化することを拒絶する移民が増え、その結果、国家としての一体感が失われつつある国が増えているのです。
2年前、オーストリアのウィーンに行ったとき、驚いたのは外国人移民の多さでした。
オーストリアにはトルコ人移民が多いのですが、そのほかにもアフリカから来た黒人や中国人など多数の外国人が住んでいます。
その移民の大群をみて「これだけ増えたら追い出すことなんて不可能だ。共存するしかないな」と思ったものです。
私の考える共存の条件は、移民が移住先の国民に同化することです。
それが移民を受け入れてくれた国に対する礼儀だし、仲良く暮らす秘訣でしょう。
先日、フランスでイスラム女性が全身をすっぽり覆うブルカという衣服を着用することを禁止する法律ができたそうですが、当然だと思いますネ。
なんでフランスくんだりまで行って、あんな格好をしなければならないのか私にはさっぱり理解できません。
そもそもあの種の顔を覆うベールとか頭巾というのは、イスラム以前から続く土着の習慣であって、イスラムの本質とは関係ないのです。
それがイスラム原理主義の台頭と共にイスラム女性はスカーフを被ったり、ベールを着けたりするのが当然であるというおかしな風潮が広まったのです。
以前、観たイギリスにおけるイスラム教徒に対する差別をテーマにしたテレビ番組で、ロンドン在住のイスラム教徒の若い男が出てきて「一日に何度も警官に職質される」と文句をいっていましたが、
彼のいでたちはというと、イスラム教徒がよく着ている詰襟の白いワンピース姿で、ラウンド髭を生やし、頭には白い小さな帽子という典型的なイスラム原理主義ファッションで、
カイロならともかくロンドンの街中でそんな恰好をしていたら職質されてもしょうがないでしょう。
実際にロンドンではイスラム過激派によるテロが頻発しているんですから。
こういう勘違いをする移民が増えたのは、「多文化共生」という耳障りはいいけど、実際には弊害の方が多い思想が広まったせいで、私が若い頃、ヨーロッパにいた移民たちはもっと謙虚で、現地の風俗習慣を尊重してました。
日本の将来を予測するとき、私はアメリカではなくヨーロッパを見るべきだと考えています。
日本とアメリカは様々な面でまったく異なる国で、アメリカは日本の参考にはならないと思うからです。
反対にヨーロッパ諸国は、地理的な条件や気候風土、歴史や伝統などが日本に似ています。
私は日本は大体、ヨーロッパの20年あとを行っていると思います。
20年前のヨーロッパは、現在の日本と同様、移民の増加や若者の失業率の高さが問題になっていました。
20年後の現在、若者の失業率は高止まりしたままで、移住先の国に同化しようとしない移民に対する反感がかってないほど高まってきています。
かって移民に寛容なリベラルな政策を取ってきたスウェーデンやオランダでは、移民排斥を叫ぶ極右政党が選挙で躍進し、移民の追い出しにかかっています。
日本でももしこのまま在日韓国・朝鮮人が日本への同化を拒否し、自分たちの異質性を主張し続けるのであれば、必ずそれに対する反動が起こるでしょう。
すでにして日本の若者の間の嫌韓感情は無視できないレベルにまで高まってきています。
20年後、日本で極右政党が政権を握り、在日韓国人や朝鮮人が享受してきた特別永住許可を含む在日特権をはく奪する動きに出る可能性は十分にあると思いますネ。
by jack4africa
| 2011-07-19 00:01
| 日本と日本人