2011年 12月 02日
台湾アミ族の歌手、ディファン(郭英男)(1921- 2002) |

台湾の原住民についてネットで調べているときに、1994年にリリースされ、アトランタオリンピックのテーマソングになった、
エニグマの「Return To Innocence」の元歌が台湾原住民アミ族の歌であることを知りました。
エニグマというのはドイツに拠点を置く音楽グループで、このアミ族の歌をサンプリングして「Return To Innocence」を作ったということですが、サンプリングの意味がもうひとつよくわかりません。
「サンプリング」でぐぐったら「過去の曲や音源の一部を引用し、再構築して新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のこと」と出ていましたが、
「Return To Innocence」の元歌であるアミ族の歌い手、ディファン(漢名:郭英男)の「老人飲酒歌」を聴く限り、
「一部を引用し、再構築して新たな楽曲を製作した」というよりは、そのままパクっているとしか思えません。
しかもエニグマは、ディファンに無断で彼の歌を「サンプリング」して、この曲の元歌を唄っているのがディファンであることも完全に隠していたといいます。
1998年にディファンに著作権侵害で訴えられてはじめて、エニグマは和解金の支払いに同意し、更なるリリースについてはディファンの名前をクレジットに記載し、ロイヤリティーを支払うことで和解したそうです。
エニグマはこれ以外にも元歌の作者から著作権侵害でよく訴えられているそうですが、知られざる少数民族の音楽を広く世界に紹介するのはけっこうですが、
元歌の作曲者や歌手の名前が判明している場合、彼らの曲を使用する許可を得て、その名前をクレジットするのは、著作権法からみて当然の義務であると同時に、元歌の作曲者や歌手に対する最低限の礼儀でしょう。
元歌である「老人飲酒歌」を歌っているディファン(郭英男)は、1921年、台湾東部のアミ族馬蘭社部落に生まれ、小さい頃から歌を歌うのが大好きで、
農業で生計を立てながら、アミ族の民謡の歌い手として、部落の老人たちと合唱グループ「馬蘭吟唱隊」を結成、そのリーダーを務めていたそうです。
1978年頃から、その実力が認められるようになって台湾で公演を始め、1988年にはフランスに招かれて公演、その歌は「天からの声」として話題を呼んだといいます。
その後、エニグマとの訴訟問題で世界的に有名になり、1998年に78歳にしてはじめてのアルバム「Circle of Life」を発表して歌手デビュー。
その後、2枚のアルバムをリリースしますが、2002年に糖尿病から併発した敗血症のために81歳で亡くなったそうです。
写真を見る限り、小柄なおじいさんですが、その歌声は聴く者の魂を揺さぶる力強さにあふれています。
Enigma - Return to innocence
http://www.youtube.com/watch?v=kC58BrS3gV4&feature=related
Elders Drinking Song 老人飲酒歌
http://www.youtube.com/watch?v=6kCOKKjMYE0
Circle of life - Visiting Song Circle of life - Visiting Song
http://www.youtube.com/watch?v=RyClxz8w1Sc
参照ウェブサイト: http://www.rti.org.tw(RTI中央放送局)
by jack4africa
| 2011-12-02 16:03
| 世界の映画&音楽

