2012年 07月 13日
インド・ラダックの旅(10) |
☆ ラダック旅行を終えて
今回、ラダックは初めての旅行だったので、いろいろと失敗も多かったのですが、今後、ラダックを旅する人のために、私の失敗談を基にラダック旅行の注意点を書きだしてみたいと思います。
このブログを読んで、ラダックに行く気になる人が沢山、出て来るとも思えませんが。
● 持っていく通貨は米ドルのキャッシュが良い
この旅行記の最初の方にも書きましたが、レーでは日本円は銀行でしか両替できず、レートもよくありません。一方、米ドルの方は私設の両替所で両替できて、レートも銀行より有利です。
またインドは非常に物価が安い国で、思ったほど金を遣わず、両替したルピーが余ってしまうことが多いので、一度にまとまった金額を両替するのではなく、少しずつ両替する方が賢明だと思います。
余ったルピーはタテマエとしては、銀行の両替証明書があれば、空港の両替所でドルや円に再両替できることになっていますが、実際には手数料がバカみたいに高かったり、レートが悪かったりします。
外国人旅行者からいったん手に入れた外貨は二度と返したくない。余ったルピーはなるべく空港で使わせる、というインド当局の意図がみえみえで、再両替しようとしても不愉快な気分を味わされるだけです。
● レーでのホテルやゲストハウスの選び方
‐高台にあるホテルやゲストハウスを避ける
今回はPalace View Guest Houseという高台にあるゲストハウスに泊まったのですがこれは大失敗でした。高台にあるため、外出するたびに帰りは坂道を登らなければならなかったからです。
特に身体が高地に順応していない初期の頃は標高3500メートルの空気の薄いレーで、坂道を登るのは大変な苦行でした。
‐三食付きのホテルかゲストハウスを選ぶ
旅行前にレーのホテルやゲストハウスを調べたとき、レー郊外だけでなく、レー市内のホテルやゲストハウスでも3食付きプランを提示しているところが多いことに気がつきました。
それが不思議だったのですが、レーに行ってみて理由がわかりました。
レーには、外国人旅行者が食事を出来るようなそこそこ小奇麗なレストランが非常に少ないのです。
またこのようなレストランでも、出てくる食事はどこも不味いです。
それに引き替え三食付きのレストランやゲストハウスの食事は美味しいといいます(あくまでも伝聞であって、私自身が体験したことではないので保証はできませんが)。
また高山病に罹ったときに、食事を取るために外出するのは大変ですが、宿泊しているホテルやゲストハウスで食事を取ることができれば、随分と楽になると思います。
‐レー郊外のホテルかゲストハウスを選ぶ
はっきりいって、レーは何の魅力もない、ただの小汚い辺境の町です。
住民もカシミール人などラダック人以外のインド人が多く、町には大きなモスクがあって、朝晩、アザーンが流れています。
そのため、ラダック的な雰囲気はあまり感じられません。
一方、郊外のホテルやゲストハウスはヒマラヤを遠くに臨むことができる、果樹園に囲まれた環境の良いところが多いです。
ラダックを訪れる旅行者は、高山病の予防のために最初の1日か2日はホテルやゲストハウスの部屋で静養する必要があるのですが、
その場合、レー市内のホテルやゲストハウスの窓から見える殺風景な光景ではなく、郊外の美しい景色を眺めて過ごす方がずっと精神的に癒される筈です。
郊外のホテルやゲストハウスでもトレッキングやツアーの手配をしてくれるし、レーにもバスやタクシーを利用して簡単に行くことができます。
ということで、私としては、高台ではない平地にあるレー郊外の環境の良い、三食付きのホテルかゲストハウスに宿泊することをお勧めします。
● 帰路のデリーからの乗り継ぎ時間に余裕を見込む
レー・デリー往復のフライトは、夏でも遅れることが多いみたいです。
そのため、レーからデリーに飛んで、その後、どこか別の目的地に飛行機で移動する場合は、レーからの飛行機が遅れる可能性を考慮して、乗り継ぎ時間にかなり余裕のある便を予約した方がよいと思います。
私の場合、レーからの飛行機が3時間以上、遅れましたが、デリーでの乗り継ぎ時間が十分すぎるほどあったので慌てずにすみました。
海外旅行に出かけて、日本に帰国するたびに、あらためて日本の良さを実感することが多いのですが、今回のような貧しいインドの辺境を旅したあとでは、余計にその感を強くします。
日本に帰国してから、近所のスーパーや、レストラン、病院などに行ったのですが、どこに行ってもピカピカに綺麗に磨き立てられていて、そこで働く従業員が最大級の丁寧な言葉で愛想よく迎えてくれることにあらためて感動しました。
こんな国、世界中探しても、そう多くはないと思います。
昨年、ブータン国王夫婦が来日されて、日本でちょっとしたブータン・ブームが起こったのですが、長年、日本に住むアメリカ人が、
「日本人はブータン、ブータンともて囃しているけど、日本でも田舎に行けば、ブータンみたいなところはいくらでもある」
と話していました。
私たち日本人はいい加減、海外のどこかに理想郷を求めるのではなく、いま現在、自分たちが住んでいる日本こそが世界的に見て、もっとも理想郷に近い場所であることに気づくべきときに来ているのではないでしょうか。
続く
「2012 インド・ラダックの旅」
by jack4africa
| 2012-07-13 00:02