2013年 04月 09日
悩めるゲイの若者のためのブログ |
私はこれまで、何人かの読者の方にゲイの若者の悩みごとの相談に乗るべきだといわれたことがあるのですが、そんな柄ではないからと断ってきました。
彼らは、私のことを相談しがいのある、優しくて思いやりのある人間だと勘違いしているのかもしれませんが、自分でいうのもなんですが、私はそんな親切な人間ではありません。
特に他人の愚痴を聞かされるのが大嫌いで、ゲイであることに悩んでいるという若者が私に向かって苦しい胸の内を綿々と吐露したら、苛々して、
たかがホモに生まれたくらいでウジウジするな!
と怒鳴ってしまうような気がするのです。
そもそも、私の場合、女っぽい子供だったので、近所の悪童たちから苛められて辛い思いをした経験はあっても、
自分がホモであること自体については、特に悩むこともなく、素直に受け入れてきたので、「ゲイである自分」に悩む若い人の気持ちが理解できないのです。
そんな私なのですが、何度もそのような話をされるうちに気にするようになったことも事実で、自分は相談に乗ることはできないけれど、どなたか良い人がいれば、紹介したいと考えていました。
そんな折に偶々、28歳のゲイの青年である英司さんという方が運営されている『陽のあたる場所へ―A PLACE IN THE SUN―』というブログを見つけました。
英司さんは、このブログで、高校時代から自分がゲイであることを自覚して独りでいろいろと悩んだあげく、通っていた大学のゲイサークルに思い切って入って、
同じような仲間と出会い、自分がゲイであることを受け入れられるようになった経緯を詳しく書かれています。
彼の話は、ゲイであることで悩んでいる若い人たちの役に立つのではないかと思いますので、ここで紹介させていただくことにしました。
彼のブログを読むとわかりますが、英司さんは大変リベラルな考え方の持ち主で、私みたいな保守反動に自分のブログを宣伝されても嬉しくないかもしれませんが、
私は保守とかリベラルを超えたところで、英司さんの人間性に対して好感を持ったのです。
具体的に彼のどういうところに好感を持ったかというと、愚痴を言わない、不幸自慢をしない、常に前向きに真摯に生きているその姿勢に対してです。
また物事の考え方もバランスが取れています。ゲイであることは辛いことだけでなく、旅行とか楽しめて良い面もあるとか、あとイケメンのゲイがもっと表に出るべきだという意見にも賛成です。
英司さん自身、写真を拝見する限り、中々のイケメンですから、ゲイのイメージ向上のために頑張っていただきたいものです。
英司さんは若い頃、ゲイリブにハマっておられたそうですが、ゲイリブにハマるということは、今の若いゲイの子にとっての通過儀礼みたいなものだと思います。
若い頃はだれしも同じような仲間と群れて遊びたいと思うものだし、その場合、大学のゲイサークルに入るのが一番、手っ取り早いし、ゲイサークルというのは大なり小なりゲイリブの影響を受けてますからね。
ただ聞くところによると、殆どの若い人はゲイの世界に入る最初のとっかかりとして、ゲイリブ系の団体に入ったとしても、二丁目で遊ぶことを覚えたりするとそこから離れて行くそうです。
まして大学を卒業して実社会に出たら、社会の現実というものを否応なく学ぶことになるわけで、そしたらいつまでも青臭いゲイリブ理論を振り回しているのが馬鹿らしくなってくる筈です。
英司さんも現在はゲイリブの活動はやめていて、ゲイリブ運動をかなり冷めた目で見るようになっているそうです。
英司さんは、ゲイリブの活動をしているとき、先輩のゲイリブ活動家たちから次のようなことをよく言い聞かされたといいます。
「今は楽しいかもしれないけど、社会に出ると今よりもずっと厳しく、辛く苦しい毎日が待っている。その辛さはあなたが”ゲイであるから”発生しうる辛さだ。だから学生のうちに少しでも世の中を変えて、自分たちにとって生きやすい社会を作るため私たちの言うことを聞きなさい」
しかしよくよく考えたら、別にゲイであろうとノンケであろうと社会に出て辛い思いをするのは当たり前のことで、ことさら将来の不安を煽るような彼らの言い方に疑問を抱くようになったそうです。
そして見た目も暗く貧相で、悲壮感漂う人たちに、
「あなたはこの社会の被害者なんです。私たちと一緒にこの理不尽で辛い世の中を変えましょう」
などと言われるよりも、見た目も明るく現代風で、生き生きした人たちに、
「ゲイとして生きていくのはけっこう楽しいよ。もっと幸せになるためにみんなで頑張ろうよ!」
と言われる方が、ずっと勇気づけられるのではないかと考えるようになったといいます。
現在は、ノンポリのゲイの友人たちと付き合っていて、一緒に飲んだり、クラブに踊りに行ったり、旅行したりしてゲイライフをエンジョイしているそうで、
かっての自分のようにゲイであることで悩んでいる若い人たちに、ゲイとして生きることの楽しさを少しでも伝えたいと思ってブログを始めたのだそうです。
私はゲイであっても楽しく生きていけるという英司さんの意見に100パーセント、賛成です。
ゲイ(ホモ)に生まれたからといって、不幸になる必要はまったくないのです。
世の中には、仕事も遊びも全力で打ち込んで、充実した生活を送っているゲイ(ホモ)はいくらでもいます。
もし現在、ゲイであることで悩んでいる若い人がいれば、是非、英司さんのブログを読んで、彼のように前向きに生きることを学んで欲しいものです。
by jack4africa
| 2013-04-09 00:03
| ホモ・ゲイ・オカマ