2013年 05月 27日
弱者が強者に変わるとき |
先天性四肢切断(生まれつき両腕と両脚がない)という障害を持つ作家の乙武 洋匡さんが、「車椅子だから」という理由で、銀座の人気レストランの入店を断られたとブログに書いて大騒ぎになっています。
大体の経緯は乙武氏自身がブログで説明していますが、
イタリアン入店拒否についてhttp://ototake.com/mail/307
要約すると、乙武氏は、ある銀座の人気イタリアンレストランを予約して、友人の女性と出かけたところ、その店は狭い雑居ビルのエレベータも停まらない2階にあって、車椅子で入店することが不可能であることが判明、
店のスタッフに店まで自分を抱きかかえていってくれるように頼んだところ、
「ウチは車椅子のお客様は、お断りしています」
と冷たく拒絶されたというのです。
乙武氏は電話で予約した際に、車椅子であることを店側に伝えていなかったそうで、それについては次のように弁明しています。
お恥ずかしい話だが、自分で店を予約する際、あまりバリアフリー状況を下調べしたことがない。さらに、店舗に対して、こちらが車いすであることを伝えたことも記憶にない。それは、とくにポリシーがあってそうしているわけではなく、これまで困ったことがなかったのだ。
あれほど重度の障害を抱えながら「これまで困ったことがなかった」といい切れるところが凄いですが、それだけ、常日頃、周囲の人間からいたれりつくせりの世話を受けているということでしょう。
普段は、事務所の男性スタッフが店まで送迎してくれることが多い。だから、たとえ段差だらけの店であっても座席まで抱えてくれる。スタッフが不在の場合でも、友人たちが代わりに抱えてくれる。また、店のスタッフが抱えてくださることも少なくない。
「店のスタッフが抱えてくださることも少なくない」
とシレッと書いてますが、この人は店が自分のために蒙る迷惑を考えないのでしょうか。
そもそも、店は障害者の客に対してそこまで面倒みなければならないものなのでしょうか。
常連客であればまだしも、彼はこの日、初めてこのレストランに行ったのです。
変な話ですが、食事中にトイレに行きたくなったら彼はどうするんでしょう。
やっぱり店のスタッフが彼の身体を抱えてトイレまで連れて行くんでしょうか。
よく知らないけど(知りたくもないけど)、彼はトイレの後始末をちゃんとひとりでできるのでしょうか。
もし初めて行った店の見ず知らずの従業員にトイレの後始末まで頼む気でいたとしたら、図々しいにも程があります。
彼を見ていると、自分は障害者=弱者で、しかも有名人なのだから、特別扱いされて当然と考えていることがよくわかります。
だからこそ、レストランのオーナーから入店を断られたときに激怒したのです。
彼は「屈辱」という言葉を使っていますが、この程度のことを屈辱と感じるくらい、甘やかされて育っているのでしょう。
まず最初に乙武氏の連れの女性が2階のレストランに行って、店の人間に乙武氏を2階の店まで運んでくれるように頼んだといいます。
店主がキッチンから出てきて、彼女にこう伝えたのだそうだ。
「車いすのお客様は、事前にご連絡いただかないと対応できません」
「あ、でも、車いすは置きっぱなしで、友人の体を抱えていただくだけでいいんですけど」
「ほかのお客様の迷惑になりますので」
「車いすの人が来たら、迷惑ってことですか?」
「そういうわけじゃ……とにかく、うちは店も狭いですし、対応できません」
このやりとりに傷ついた友人は、泣きながら階段を駆けおりてきた。僕は予期せぬ出来事に目を白黒させていたが、話を聞くうち、ひさしぶりに会った友人が、僕のせいでこれだけ悲しい思いをしてしまったことに、ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
この店主の態度のどこが間違ってるんでしょう。この日は土曜日で店は客でいっぱいで、働いているのはシェフである店主とホール担当の男性スタッフの2人だけという状況で、こんなややこしい客が来たらだれだって断るに決まってますヨ。
久しぶりに会った友人を泣かせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになったといっていますが、本来ならば、友人よりも気を遣うべき赤の他人の店主に対しては自分のワガママを押し付けて平気で、悪いとも何とも思ってないんですね。
ふたりでその場にたたずんでいると、40代くらいの店主が階段を下りてこられた。僕の姿を確認すると、一瞬ギョッとしたようだったが、すぐに気を取り直し、僕に向かってこう口にした。
「エレベーターが2階には止まらないって、ホームページにも書いてあるんですけどね」
「ああ、そうでしたか。僕、今回は『食べログ』を見てお電話したので……」
「何を見たかは知りませんけど、予約の時点で車いすって言っとくのが常識じゃないですか?」
「予約の時点で車椅子であることをいっとくのは常識じゃないですか?」
このいたって常識的な言葉に、乙武氏はキョトンとしてしまったんだそうです。
彼が常識をまったく理解しない種類の人間であることがよくわかります。
これまで、周囲から常に特別扱いされてきたから、常識なんか身に付けなくても、生きてこれたのでしょう。
彼は店主の口ぶりがケンカ腰だったと非難していますが、流行っている店のオーナーなんてこんなものです。
人気のある店ほど、
「嫌だったら、よそに行ってくれたって構わないんだよ」
みたいな態度を取ることが多いし、われわれ庶民はそんな風につれなく断られてもしょうがないと諦めて、ほかの店にあたるでしょうが、
自分のワガママを通すことに慣れているらしい、乙武氏は我慢できなかったようなのです。
そしてブログで この店の実名を挙げて、「車椅子のせいで入店を断られた」と告発したのです。
案の定、店には抗議のメールや電話が殺到し、店のHPのサーバーがダウンしてしまうほどの騒ぎになったといいます。
「この身障者の王、乙武大王を怒らせたらどうなるか、わかっただろう!」
彼はさぞかし溜飲を下げたでしょうが、ひとつだけ、誤算がありました。
彼のワガママで自己中心的な態度に対してネットを中心にいっせいに非難の声が沸き起こったのです。
予想もしなかった非難を浴びて、大王は現在、弁解にこれ務めているみたいですが、もう遅すぎます。
彼がこの事件をブログに書いて喧伝したお蔭で、その性格の悪さが日本中に知れわたってしまったからです。
これからはアグネス・チャンなんかと同様、「嫌われキャラ」で生きていくよりしょうがないでしょう。
彼は最後に、P.S.として次のように書いています。
でも、やっぱり、店主がお許しくださるのなら、いつの日か再訪してみたいな。だって、お店の料理、本当においしそうだったから。
店主に対して、
「ちゃんと俺様に謝罪して、あらためて俺様を店に招待しろ」
といっているのです。
普通の人間であれば、トラブルを経験したレストランなど二度と行きたくないと考えるでしょうが、身障者の王、乙武大王は、平民(健常者)の分際で自分の入店を断った店主に対して寛大にももう一度、自分を店に招待する機会を与えてやろうと仰せられているのです。
by jack4africa
| 2013-05-27 20:33
| 日本と日本人