2014年 06月 10日
多文化主義か同化か、欧米の移民問題(2) |
次はドイツですが、ドイツの家族構造は前回のエントリーで書いたように、子供の一人(通常は長男)が親の財産を相続して親と同居し、それ以外の兄弟は家を出て別の職業に就くというトッドが権威主義家族と呼ぶもので、
このような家族構造を持つ文化の下に育った人間は、兄弟が親の財産を均等に相続しないことから、アングロサクソン型の絶対核家族と同様、人間の平等には関心を持たず、差異に敏感になるそうです。
差異に敏感になるということは、自分たちと異なる人種を差別する傾向が強くなるということです。
ドイツについてはユダヤ人差別が有名ですが、アメリカ人が肌の色で人を差別するのに対して、ドイツ人は人間の内面性、つまり宗教によって差別するといいます。
アメリカの国勢調査では、人間は人種別のカテゴリに分類されるそうですが、ドイツでは宗教別に分類されるそうです。
それでドイツ人は過去にはユダヤ人を差別したのですが、現在ではイスラム教徒のトルコ移民を差別しているといいます。
トルコは元々、イスラム国家といっても、アタチュルク以来の政教分離の伝統のお蔭で、サウジアラビアやイランのような保守的なイスラム国家と較べると世俗的で、トルコ国民もそれほど熱心なイスラム教徒ではないといいますが、
ドイツではイスラム教徒ということで差別されるので、ドイツに移住したトルコ移民は、自分たちがイスラム教徒であることをあらためて意識させられるそうです。
トルコ移民が社会的に差別され、隔離される一方で、旧ユーゴスラヴィアからの移民は、家族構造も宗教もドイツ人と異なるにも関わらず、ドイツ社会への同化が進んでいるといいます。
またソ連と東欧の共産主義政権が崩壊した結果、これらの地域に散らばって居住していたドイツ系住民がドイツに戻ってくるようになり、彼らもまたドイツ語が十分に話せないにも関わらず、順調にドイツ社会に同化しているそうです。
つまり、アメリカが黒人を不可触賤民化して差別することで、黒人以外の人種のアメリカ社会への同化に成功したように、
ドイツではトルコ移民を不可触賤民化して差別することで、トルコ移民以外の移民のドイツ社会への同化が進んでいるというのです。
ドイツ社会におけるトルコ移民の隔離の状況は、ドイツで生まれ育ったトルコ系移民2世の女性の外婚率(トルコ人以外の男性と結婚する割合)が2%台と際立って低いことでよく示されているとトッドは指摘しています。
これはアメリカの黒人女性の外婚率(黒人以外の男性と結婚する割合)の低さ(1992年の統計によると2.3%)に匹敵し、
アメリカでは黒人、ドイツではトルコ人がそれぞれ被差別民化されていることがよく判ります。
トルコ人は中東の中ではかなり近代化が進んでいて、その影響で1984年のドイツ在住のトルコ移民の出生率は2.5とかなり低かったそうです。
世界的にいって、近代化が進むと出生率が低下する傾向があり、出生率が人口の現状維持に必要な2.1まで下がると先進国入りしたといわれています。
そのため、1984年のトルコ移民の2.5という出生率の低さはトルコ移民の世俗化が進み、先進国の人間に近いライフスタイルになっていたことを示しています。
ところが、1990年になると、ドイツ在住のトルコ移民の出生率は3.5に増加するのです。
このトルコ移民の出生率の上昇は、ドイツ社会で隔離され、孤立化しているトルコ移民の防衛本能の現れであるとトッドは解説しています。
またかっては世俗的なイスラム教徒であったドイツ在住のトルコ移民の間でイスラム原理主義が台頭しているそうで、
これもイギリスのパキスタン系移民と同様、本国の宗教事情とは関係ない、受け入れ国の社会における隔離化が原因で、
ドイツ社会に溶け込むことができず、疎外感を味わっているドイツ生まれのトルコ系移民2世、3世の若者が原理主義に走っているそうです。
トッドはこれをトルコ移民による「イスラムの再発見」と呼んでいます。
トルコ系移民は、ドイツにおける移民の最大集団で、総人口の3.1%(255万人)を占めます。
このドイツ最大の移民集団の間で、西欧的価値観を否定するイスラム原理主義が蔓延するのを放置すれば、将来、元々のドイツ人とトルコ系移民の間の対立が深まり、大きな衝突が起こる危険があるとトッドは警告を鳴らしています。
ちなみにトッドが分類する日本の家族構造は、ドイツと同じ権威主義的家族で、兄弟間の相続の不平等を特徴とし、人間は互いに異なるという認識を持っているそうです。
その結果、ドイツ人がユダヤ人を差別したように、日本人は部落民を差別しているとトッドはいいます。
ナチスドイツが行ったユダヤ人のホロコーストと部落差別が同列に語られるのは、日本人としてはちょっと抵抗を覚えますが、
それでも、日本で同和問題がいまだに解決されていないのは事実で、同和部落は戦後、様々な優遇措置によって、経済的には豊かになったものの、その同和利権の濫用により、一般国民から疎まれる存在になっています。
また在日朝鮮・韓国人がこの同和部落に対する優遇措置に目をつけて、自分たちもまた差別される集団であると主張して、在日特権と呼ばれる様々な優遇措置を獲得した結果、
実際には差別されていないにも関わらず、差別されていると主張して被差別利権の獲得を狙うゲイリブ団体のようなおかしな連中も出て来ています。
いずれにせよ、逆差別(優遇)もまた差別であることに変わりなく、在日朝鮮・韓国人に対する特権=逆差別を撤廃せよと主張する在特会は、その意味で差別主義者ではなく、反差別主義者だと思います。
あとドイツではスキンヘッドと呼ばれる連中がトルコ移民の女性にガソリンをぶっかけて火をつけて焼き殺すという事件が起こっているそうです。
そういう話を聞くと、やっぱり差別の本場は欧米だという気がしますね。
続く
本日のつぶやき
石平太郎 @liyonyon
今日の中国各メディアは一斉に、国連の報告書が出した数字を引用して、2013年度の中国から世界各国への移民数は930万人に上ると報じた。
沈没しそうな船からネズミがいっせいに逃げ出してるんですね。中国崩壊のカウントダウンの始まりです。
つぶやき2
【宇多田ヒカル、サッカーW杯西村主審誤審問題に対し、ツイッターで“日本人嫌いにならないで”とクロアチア人達に英語でツイート】
アホか!!
私はサッカーには素人なので、西村審判の判定が誤審だったかどうか断定はできませんが、西村審判を批判しているサッカーファンは、西村審判個人を批判しているのであって、日本や日本人を批判しているのではありません。
西村審判は個人の資格でW杯の審判を務めているのであって、日本を代表して審判を務めているわけではないのです。
この宇多田ヒカルという女、藤圭子の娘でアメリカで育ってアメリカの大学を出てるらしいけど、この辺の感覚はどうしようもなく日本人でウンザリさせられます。
アメリカの大学を出て英語が話せるからといって「国際人」になれるとは限らないというよい見本ですが、なまじ英語が話せるだけ、始末に負えないのよねぇ。この手のバカ女は!
by jack4africa
| 2014-06-10 00:01
| 国際関係

