「そんなにおかしいのか杉田水脈論文」を読んで(1) |
先日発売された『新潮45』の10月号では、8月号の杉田水脈議員の記事の反響があまりに大きかったので驚いたのか、「そんなにおかしいのか杉田水脈論文」という反論を特集しています。
執筆者は、2人の当事者を含む全員7人、非当事者の5人の執筆者のテーマは当然のことながら一般的なもので、当事者の私にとっては今更といった内容ばかりだったので、もうひとつ読んでいて面白くなかったです。
ひとりだけちょっと過激なことをいう執筆者がおられましたが、世間のホモやレズにたいする見方なんてあんなもんで、
それでも日本は同性愛行為を犯しても刑務所に入れられることはないし、ホモやレズが集まって楽しむ社交の場はいくらでもあるし、宗教に起因する同性愛に対するタブーも存在しません。
日本における同性愛者にたいする差別や偏見なんて、欧米キリスト教圏と較べると取るに足らないもので、欧米キリスト教圏みたいに同性愛者だと分かっただけで殴る蹴るの暴行を加え、
ときには死にいたらせるヘイトクライムが頻発している欧米諸国と比較すると、あらためて日本のように同性愛者にたいして寛容な国は世界でも稀有だと思います。
今回の10月号で特集された杉田水脈擁護論文で一番面白かったのは、ゲイ関連のブログを運営されているかずとさんという方の『騒動の火付け役「尾辻かな子」の欺瞞』でした。
私は不勉強でかずとさんのことも彼が運営されているブログの存在も知らなかったのですが、1970年代生まれで、若い頃は自分がホモであることを認めたくなくて、ゲイバーなどのホモが集まる世界には近づかなかったといいます。
転機となったのは、2004年頃、尾辻の著書である『カミングアウト』を読んだことだそうで、
尾辻かな子の本を読んで、彼女が同性愛者である苦悩を乗り越えて政治家を目指して生きて行くその前向きな姿勢に感動し、
本を読んだあと、町に一軒しかないゲイバーに出かけて行き、そこで現在のパートナーと出会ったといいます。
つまり当初、かずとさんは尾辻かな子の支持者でファンだったというのです。
しかしかずとさんは次第次第に尾辻のやり方に疑問を感じ始め、それが今回の杉田議員の「LGBT支援の度が過ぎる」という寄稿文にたいして尾辻がとったやり口を見てピークに達したといいます。
かずとさんは、杉田議員のツイッターが発表されたとき、尾辻かな子はなぜ杉田議員に直接会って、あのようなツイッターを公表した真意を質さなかったのかと疑問を呈しています。
二人とも国会議員なんだから、国会で会うのは容易である筈なのに、尾辻はそうしなかった。
その代りに彼女は杉田議員の寄稿文のスクショを撮ってそれに次のような文章を添えてツイッターに投稿したのです。
「杉田水脈自民党衆議院議員の雑誌『新潮45』への記事。LGBTのカップルは生産性がないので税金を投入することの是非があると。LGBTも納税者であることは指摘しておきたい。当たり前のことだがすべての人は生きていること、その事自体に価値がある」
尾辻はこのツイッターで、子育て支援や子供ができないカップルの不妊治療のために税金を投入するなどの少子化対策のために税金を投入るなら大義名分はあるが、
子供を作らない同性カップルについてはその必要はない、という杉田議員の至極当たり前のツイッターの意見を同性カップルの差別の問題に意図的にすり替えて杉田議員を貶めようとしています。
杉田議員はこのツイートにたいしてすぐに次のように返信しています。
「尾辻先生、税金を投入する=福祉を活用する人=社会的弱者です。LGBTの方々は社会的弱者ですか。LGBTの方でも、障害者の方は障害者福祉を低所得者の方は低所得者福祉を高齢者の方は高齢者福祉を受けられます。年金も生活保護も受けられます。当たり前のことです。」
「その点に於いて日本の中で何ら差別されていないし、また差別すべきではないと思います。納税者として当然の権利は行使できます。その上で、何かLGBTの方々にだけに特別に税金を注ぐような施策は必要ですか?」
この「LGBTの方々にだけに特別に税金を注ぐような施策は必要ですか?」という杉田議員の質問に尾辻は答えなかったといいます。
なぜ答えなかったのか?
それは、LGBTに税金を投入する必要がないことを一番よく知っているのが当の尾辻本人だからだとかずとさんは指摘します。
LGBTの中で本当に困っているのはLGBTの中のTの一部だけでしかないことを尾辻とはじめとするLGBT活動家はよく知っています。
更衣室やトイレ、制服といった問題、履歴書や各種書類の性別記載、すべてTに関係するだけでLGBには関係しないのです。
それゆえ、杉田議員の「LGBとTを一緒にすべきではない」という主張は完全な正論で、それが正論であるがゆえに尾辻は何一つ言い返せなかったし、
またそれを認めてしまうとTの問題をLGBT全体の問題であると言い張ってきたこれまでの主張が嘘であることがバレてしまうので何も言えなかったのです。
杉田議員のツイッターが公表されたあと、尾辻をはじめとするLGBT活動家がパヨクを巻き込んであれだけ杉田議員を攻撃したもうひとつの理由は、
LGBTを弱者認定する野党が提案しているLGBT差別禁止法、または与党自民党が準備をしているといわれているLGBT理解増進法の成立を狙っているからだとかずとさんはいいます。
野党案よりも内容が穏健であるといわれている自民党の理解増進案でも、成立すれば、学校や自治体でLGBTに関する講習会が絶えず開かれることになり、
その場合、講習会の主催者や講師はLGBT活動家になる可能性が大きくなり、彼らにとって大きな収入源=利権になるのだそうです。
尾辻かな子自身、「LGBT政策情報センター」なる団体の代表理事を務めているそうで、そのサイトには活動内容が次のように列挙されています。
(1)LGBTに関する政策調査及び研究、情報提供
(2)LGBTに関する研修、講座その他の会合等の開催
(3)LGBTに関する国内外諸機関、団体及び行政との連携
(4)LGBTに関する広報出版事業
(5)LGBTに関する教育及び人材育成事業
(6)LGBTのための生活相談支援事業、財産形成事業
(7)LGBTのための相続、遺言、成年後見に関する相談支援事業
(8)上記事業に関連する範囲において行政等から受託する事業
注目すべきは(8) 項の「行政等から受注する事業」で、これは利権以外の何ものでもありません。
そしてこのような法案が成立する前提条件として、LGBT=差別される弱者であるという一般的な理解が必要で、
そのため尾辻をはじめLGBT活動家たちは、これまで社会にたいしてLGBT=弱者のイメージをせっせと積み上げてきたのが、
その努力が杉田議員のツイッターの一撃によって粉々になってしまうのではないかという恐怖を抱いたのではないか。
そうでないとLGBT界隈があそこまで常軌を逸脱した狂乱ぶりを見せなかったのではないでしょうか。
続く