2007年 02月 22日
エジプト旅日記(3) |
☆ ヒルトン・ホテルのサウナ
ギザからカイロにタクシーで戻り、向かったのはヒルトン・ホテルのサウナ。
このサウナ、昔、カイロに住んでたときによく行っていたのですが、内部は完全に改装されていました。
以前は、サウナとスチームのある部屋はもっと広くて、真ん中の空いたスペースにマッサージ用のベッドが何台か置かれていて、バスタオルを腰に巻いただけの裸のビルダー体形のマッサージ師がうろちょろしてました。
今はマッサージ室は別室になっていて、やはり逞しい身体付きですが、ビルダータイプではなく、K1の選手みたいな体形の上下ジャージー姿のマッサージ師が出入りしてます。
マッサージ料金は、165ポンド(3300円)とけっこうなお値段だったので頼まず。
平日の午後二時過ぎということで、客は私、一人でした。
サウナに入ってすっきりしたあと、タクシーでハーン・ハリーリへ。
渋滞に巻き込まれ、運ちゃんと雑談し始めたら、例の「結婚してるか?」の質問が出て、「してない」と答えたら、妖しい雰囲気になって、気がついたら私の手は彼の股間に・・・
エジプトのタクシーは客を助手席に乗せるので、手を伸ばすと簡単に触れてしまうのです!
私に股間をニギニギされて喜んでいた運ちゃんは34歳、一男一女の父だそうです。
☆ ハーン・ハリーリのハンマーム
ハーン・ハリーリに戻って、昔、私がよく行っていたハンマームへ。
閉鎖されていると聞いていましたが、やはり、自分の目で確かめたくて・・・
やっぱり、閉鎖されていて、入り口はなんの店だかよく分からない店になっていましたが、奥のハンマームの建物はそのまま残っているようでした。
80年代初めには、ハーン・ハリーリを含むイスラミック・カイロ地区にはハンマームは10軒ほどあって、どこのハンマームでも大なり小なりハッテンは可能でしたが、
兵士など若いエジプト人の男が一番、多く集り、派手にサカッていたのがこのハンマームでした。
当時、このハンマームで夜毎、繰り広げられていた狂宴をいくら言葉を尽くして説明しても、実際にそれを体験した人でないと理解してもらえないでしょう。
ノンケの若いエジプト人たちが、外国人やエジプト人のホモを相手にヤリまくるという、日本のゲイリブの連中なんかの想像を絶する世界でしたから。
2001年から欧米のゲイリブが「エジプトでのゲイの弾圧」と呼ぶ風紀の取締りが始まって、ナイルの船上ディスコでゲイパーティーを開いていたエジプト人達が逮捕され、
男同士の乱交が行なわれていることで昔から保守派の間で評判が悪かったハンマームにも警察の手が入るようになり、ハッテン目的の客が激減して、経営が成り立たなくなって閉鎖するハンマームが相継いだのだそうです。
またイスラミック・カイロ地区のハンマームには建ってから何百年も経つような古い建物が多く、老朽化して崩壊の危険があるということで当局から改築命令が出て、
零細事業主のオーナーが改築資金を負担できないために閉鎖に追い込まれたケースも何件かあるといいます。
そんなこんなで現在、イスラミック・カイロ地区にまだ残っていて、細々と営業を続けているハンマームは、ハンマーム・マラティリとハンマーム・カラウーンの2軒だけ、
その内の一軒のカラウーン・モスクの隣にあるハンマーム・カラウーンを覗いてみることにしました。
夕方5時半頃に行きましたが、7時には閉めてしまうとのこと。明日は夜10時まで開いているといわれたので、翌日また出直すことに。
ホテルに戻る途中、DVDを売っている店があったので、今夜、行く予定にしているハンマーム・マラティリを舞台にした映画「マラティリ風呂」のDVDがないか、捜してみることにしました。
この「マラティリ風呂」は、イスマイル・ワリッディーン原作の小説をエジプトの黒澤明と呼ばれるサラハ・アブセーブ監督が1973年に映画化して、エジプトで大ヒットした作品です。
この映画が大ヒットした理由は、主役のハンマームで働く青年が夜中、客のいなくなったハンマームの浴室に恋人の女性を連れ込んで愛し合う「濡れ場」がエジプト映画にしては大胆で、扇情的だったからだそうです。
若い男女の恋物語なのですが、ハンマームが舞台になっているだけあって、ハンマームに若い男を求めてやってくる年老いた男色家や、
彼ら相手に身体を売る若い男たちの生態も描かれているそうで、以前から是非、一度観てみたいと思っていたのです。
DVD屋の親父に「マラティリ風呂」のDVDはないかと尋ねると、「なぜ日本人のあなたが、あの映画のことを知ってるんだ!」と驚き、かつ感激した様子で、
「今、自分の店にはないが、もう一軒、近くにあるDVD屋にはある筈だ」といって、若い男の店員にわざわざその店まで取りに行かせました。
リージョン・コードのことはもちろん、尋ねたのですが、親父はその言葉を聞いたことがないみたいで、「日本でも観られる!」の一点張りです。
30ポンド(600円)と安かったので、ダメモトで買うことにしました。
ちなみにこのDVD,日本に帰国してからDVDプレーヤーで再生してみたら、ちゃんと観ることができました!
続く
「2007年エジプトの旅」目次
by jack4africa
| 2007-02-22 00:48