2008年 03月 07日
演歌とシャンソン |
正確にいうと、Jポップというジャンルの音楽で、国籍不明の化粧をした下品な顔つきの若い女の歌手が、自己陶酔的なアホ面で、ヘタクソな歌をうたっている姿に嫌悪感を抱くようになり、その反動として演歌歌手を見直したという感じです。
世界広しといえども、オンチでも歌手になれる国は、日本くらいのものだと思いますが、Jポップの歌手と違って、演歌歌手はオンチではなれないし、プロとしてのトレーニングを積んでいるし、そういう意味では演歌歌手こそ、プロの歌手の名に値すると思うのです。
プロの歌手といえば、私は美輪明宏さんのことを、歌手としても、人生の大先輩としても尊敬していますが、彼が日本の演歌を貶して、フランスのシャンソンを持ち上げるのは理解できません。
だって、シャンソンというのはフランスの演歌ですから。
実際、フランスでシャンソンを聴けば、シャンソンがいかに大衆的な歌謡曲であるかがよくわかります。
一度、「カジノ・ド・パリ」で、ジジ・ジャンメールのショーを観たことがありますが、出征兵士を送る歌とかで、舞台にハリボテの汽車が出てきて、恋人の兵士を乗せた汽車がシュッシュポッポ、シュッシュポッポと走り出すと、ジジ・ジャンメールが首に巻いた長いマフラーみたいなものを、手に持って振り回しながら、
「ああ、あなた、死なないで、帰ってきてね、あたし、待ってるわ♪」
みたいな歌をうたって、新宿コマ劇場なんかの演歌歌手の歌謡ショーと殆ど変わらない泥臭さでした。
パリには新人のシャンソン歌手がそこでリサイタルを開けば、初めて本物のシャンソン歌手として認められる、シャンソン歌手の登竜門になっている、オランピアという劇場があります。
一度、パリ在住のフランスのシャンソン界に詳しい日本人と、オランピアでリサイタルを開くことができる日本の歌手はだれだろうという話になって、二人の意見が一致したことがあります。
その歌手はだれかというと、美空ひばりと三波春夫です。
この二人に共通しているところは、歌がうまいこと、そして泥臭いことです。
これは私の持論ですが、ローカルなものほど、インターナショナルに通じます。
日本の自称シャンソン歌手なんか、絶対にフランスでは通用するとは思えませんが、日本のど演歌はフランスでも評価されると思いますね。
実は、フランスのシャンソン歌手は、フランス以外の出身者が多く、フランス人でなければ、シャンソン歌手になれないというわけではありません。
たとえば、イブ・モンタンはイタリア、シャルル・アズナブールはアルメニア、アダモはイタリアのサルディニア、バルバラはベルギー、シルヴイ・バルタンはブルガリア、ジョルジュ・ムスタキやナナ・ムスクーリはギリシャ、ダリダはエジプトといったように、その出身は様々です。
ただ当然のことながら、どの歌手もフランス語は、ネイティブのフランス人と変わりなく話せます。
ダリダだけが、単語の最後に母音を付けてイタリア語風に発音してみたり、Rの音を思い切り巻き舌で発音してイタリア系であることを強調していましたが、彼女にしてもインタビューなどでは、普通にフランス語を話していました。
日本の「シャンソン歌手」がフランスに進出できないのは、必ずしも国籍や人種のせいだけではなく、フランス語をまともに発音できないという致命的な欠陥があるからです。
そもそも、日本のシャンソン歌手というのは、日本でしか通用しないけったいな代物だったのです。
彼らは銀座の「銀巴里」というシャンソン喫茶を根城にして歌っていて、フランス革命記念日の7月14日を「巴里祭」と称して祝っていたそうですが、ようそんなアホなことやってたな!と思いますね。
世界中、捜しても、よその国の革命記念日を祝うアホな国民は、日本人以外には見当たらないでしょう。
だいたいが、フランス革命は、ほかの多くの革命と同様、階級間の血で血を洗う凄惨な闘争で、当のフランス人でさえ、あんな革命は起こらなかった方がよかったという人間が多いのです。
最近は、日本ではシャンソンが流行らなくなり、そのせいで「銀巴里」も潰れたそうで、まずはご同慶の至りですが、代わりに黒人の真似をするヒップホップ系という連中が出てきています。
フランス人の大げさな身振りを真似て、へたくそなフランス語でシャンソンを歌っていた和製シャンソン歌手も恥ずかしかったけど、黒人の真似をして日本語でヘタなラップをうたう和製ヒップホップ歌手も相当、恥ずかしい存在だと思いますね。
で、上の写真のヒップホップ系の黒人の兄ちゃんですが、現在、話題の黒人演歌歌手、ジェロ君です。
彼はアメリカ人ですが、おばあさんが日本人で、子供の頃から日本の演歌を聴いて育って、演歌歌手になる決心をしたそうで、そういう意味では、和製シャンソン歌手や、なんちゃってヒップホップと違って、演歌歌手になるだけの必然性があります。
歌もうまいですしね。
実は彼、私が3年前に行ったブラジルのレシフェの売り専サウナ、テルマス・センターでお手合わせした「絶叫マシーン・セックス」の黒人のボーイによく似てるんですよね。
えっ? 絶叫マシーン・セックスってどんなSEXだって?
それはもうなんというか、筆舌には尽くし難いSEXでしたねぇ (笑)
私の経験からいうと、黒人に限らず、細身の人間ほどアレがデカイし、SEXも強いような気がするのですが・・・
一度、デブ専の方の見解をうかがってみたいものです。
JERO 「海雪」
http://www.youtube.com/watch?v=KFdUGs6qIuw
by jack4africa
| 2008-03-07 00:07
| 世界の映画&音楽