2008年 10月 10日
ネットという世間 |
心理学者の岸田秀先生によると、人間の行動を律するのは、欧米人の場合は神様で、日本人の場合は世間だそうです。
欧米人はなにか悪いことをしようとする誘惑にかられたとき、「神様が見ておられる」と考えて思いとどまることが多いそうですが、日本人は「世間が見ている」と考えて思いとどまるのだそうです。
そういえば、不祥事を起こした企業の社長が記者会見を開いて謝罪するときに、よく「世間をお騒がせして申し訳ない」などといいます。
日本で世間を代表していたのは、少し前までは、テレビのワイドショーだったと思います。
なにか事件が起こるたびに、犯人の実家に押しかけて行って、犯人の親にマイクを突きつけて「今のお気持ちは?」などとアホな質問をするワイドショーのレポーターが私は大嫌いですが、
自分の親のところにワイドショーのレポーターが押しかけてきて、親に向かって残酷な質問をして泣かせるようなことになったら困ると考えて、悪いことをしないで生きてきた日本人はけっこういるんじゃないでしょうか。
少なくとも、私の場合はそうでした。
つまり、正義の味方を気取って、悪いことをした人間だけでなく、その家族まで世間のさらし者にするワイドショーは、日本人の行動を規制する一定の抑止力を持っていたと考えられるのです。
しかし、ワイドショーでのやらせが次々に明るみにでて信用を失ったことや、国民のテレビ離れも手伝って、最近ではワイドショーにはかってのような影響力はなくなってきています。
代わりに台頭してきたのがネットです。
日本一の巨大掲示板2ちゃんねるではときどき「祭り」と呼ばれる現象が発生します。
犯罪には問われないものの、人間としてすべきでないことをやった人間がそれついて謝りもせず、開き直った場合にこの現象が起こります。
代表的なのは2004年に起こったイラク3馬鹿拉致事件のときの祭りです。
30過ぎのハイミスの無職の自称ボランティア、30過ぎの離婚歴あり、定職なしの自称カメラマン、大学受験に失敗した19歳のプータロー、この絵に描いたような負け犬、3匹が用もないのにノコノコとイラクに出かけていって、
武装勢力に拉致されたのですが、テレビに出演した彼らの親きょうだいは、自分達の息子や娘、きょうだいが犯した軽率な行動の結果、国に多大な迷惑をかけたことを謝罪するどころか、
3馬鹿を拉致した武装勢力の要求を呑んで、自衛隊をイラクから撤退させろと居丈高に要求したのです。
彼らのバックには自衛隊のイラク派遣に反対する左翼グループが控えていたらしく、手回しよく自衛隊のイラクからの撤退を要求する署名を集めて政府の担当者に手渡していましたが、
国会の審議を経て正式に決まった自衛隊のイラク派遣を、外務省の勧告を無視してイラクに入った、日本国民である以外、なんの取り柄もないクズみたいな連中のためになんで撤回しなければならないのか!
と国民の怒りが湧き起こり、3馬鹿とその家族は袋叩きになったのです。
あと記憶に新しい「祭り」としては、2006年に起こった「さくらちゃん募金事件」があります。
NHKの職員夫婦が心臓移植の必要な難病に罹った自分の娘を救うために移植に必要な費用、1億3000万円の募金を呼びかけたのですが、
この夫婦が二人ともNHKの幹部職員で、夫婦の年収が二人合わせて数千万円にも上ること、さらに高給に加えて不動産価格が1億にもなる家に住んでいることが明るみに出て、ネットを中心に猛烈な批判が沸き起こったのです。
夫婦は批判を受けて、渋々といった感じで3000万円を自己負担しましたが、本来ならば、娘の治療のために自宅を売り、退職金の前払いを受けて費用を捻出すべきところを、
自分たちの生活レベルを落とすことなく、すべて一般国民の善意から出た寄付金で費用を賄おうとしていた、その虫の良い考え方に対する非難の声は鳴り止みませんでした。
その少し前にNHKのソウル支局長が数千万円を使い込みしたことがバレたにも関わらず、クビにもならずに配置転換されただけに終わったという事件があったばかりで、
国民が納めた受信料で贅沢三昧をしているNHK職員に対する国民の怒りも背景にあったと思います。
私個人としては、この募金の代表発起人である永井某という人物が、あの悪名高い「女性戦犯法廷」なるものを放映した番組のチーフプロジューサーだったことに抵抗を覚えました。
この「女性戦犯法廷」なるものは、バウネットジャパンという反日フェミ団体が北朝鮮の工作員を検事役に仕立てて主催し、昭和天皇を戦争犯罪人として裁いた模擬裁判ですが、
このような反日的な裁判を公共放送であるNHKで放映するという非常識なことを行なったこの永井某も当然、反日サヨク思想の持ち主で、
バウネットジャパンが、番組が政治家の圧力によって改変されたと主張して裁判を起こしたときには証人として出廷し、バウネットジャパンに有利な証言を行なっています。
腹が立つのは、こういう反日サヨクに限って、なにかあればすぐに、図々しく日本人の善意にたかって金を得ようとすることです。
特にNHK職員の場合は、日頃から国民が納める潤沢な受信料を使って仕事をし、そこから給与を受け取っているせいか、個人的な目的のために国民の金を使うことに対して、なんの抵抗も感じないようです。
そもそも、心臓移植というのは、費用が高額であることを別にしても、そう簡単に実施できる医療行為ではありません。
まず第一に、難病に罹っている子供が心臓移植を受けるためには、だれか別の子供が死ぬ必要があるのです。
また日本人の子供が大金を払ってアメリカの病院で心臓移植を受ける陰には、高額な医療費を払えずに死んで行くアメリカの貧しい子供たちの存在があります。
それでも心臓移植手術を受けさせて子供の命を助けたいと考えるのが親心というものでしょうが、
そういう親心というものは本質的にエゴイスチックな心情であることを自覚していたならば、そう簡単に募金に頼ろうという気持ちにはならないはずです。
このNHKの職員夫婦みたいに費用を自己負担できるだけの経済力がある場合は、尚更です。
ところが実際には、「幼い子供の命を救うための募金」という美名の下に、集った募金で贅沢な生活をしている親たちがけっこういるそうで、
この事件ははからずも、そのような日本人のモラルの低下を明るみに出す結果になったわけです。
そのほかにも、妻が自転車に乗っていたときにバスに幅寄せされたとバス会社に抗議して、謝罪に訪れたバス会社の職員の本名と写真をブログで公開して揶揄嘲笑した雑誌記者とか、
アルバイト先のコンビニに来た病院帰りの包帯だらけの客の写真を撮り、「キモイ」というコメントをつけてブログに掲載した大学生とか、
非常識な自分の行動を恥ずかしげも無くブログで公表した人間に対して、そのブログに非難のコメントが殺到し、ブログが「炎上」することがよくあります。
ネットの怖いところは、そういう人物の本名や仕事、家族環境などがあっという間にネットで晒されて、勤務先の会社や通っている学校にまで抗議の電話が殺到することです。
プライバシーに配慮して、顔にモザイクをかけたり、実名を伏せたりするテレビのワイドショーと違って、ネットの攻撃はもっと直截で、容赦がなく、
攻撃を受けた人間が傷ついても、それは本人の自業自得とされ、同情されることはないのです。
そのうち、日本人はやっていいことと悪いことの区別をネットで学ぶようになるのではないでしょうか。
欧米人はなにか悪いことをしようとする誘惑にかられたとき、「神様が見ておられる」と考えて思いとどまることが多いそうですが、日本人は「世間が見ている」と考えて思いとどまるのだそうです。
そういえば、不祥事を起こした企業の社長が記者会見を開いて謝罪するときに、よく「世間をお騒がせして申し訳ない」などといいます。
日本で世間を代表していたのは、少し前までは、テレビのワイドショーだったと思います。
なにか事件が起こるたびに、犯人の実家に押しかけて行って、犯人の親にマイクを突きつけて「今のお気持ちは?」などとアホな質問をするワイドショーのレポーターが私は大嫌いですが、
自分の親のところにワイドショーのレポーターが押しかけてきて、親に向かって残酷な質問をして泣かせるようなことになったら困ると考えて、悪いことをしないで生きてきた日本人はけっこういるんじゃないでしょうか。
少なくとも、私の場合はそうでした。
つまり、正義の味方を気取って、悪いことをした人間だけでなく、その家族まで世間のさらし者にするワイドショーは、日本人の行動を規制する一定の抑止力を持っていたと考えられるのです。
しかし、ワイドショーでのやらせが次々に明るみにでて信用を失ったことや、国民のテレビ離れも手伝って、最近ではワイドショーにはかってのような影響力はなくなってきています。
代わりに台頭してきたのがネットです。
日本一の巨大掲示板2ちゃんねるではときどき「祭り」と呼ばれる現象が発生します。
犯罪には問われないものの、人間としてすべきでないことをやった人間がそれついて謝りもせず、開き直った場合にこの現象が起こります。
代表的なのは2004年に起こったイラク3馬鹿拉致事件のときの祭りです。
30過ぎのハイミスの無職の自称ボランティア、30過ぎの離婚歴あり、定職なしの自称カメラマン、大学受験に失敗した19歳のプータロー、この絵に描いたような負け犬、3匹が用もないのにノコノコとイラクに出かけていって、
武装勢力に拉致されたのですが、テレビに出演した彼らの親きょうだいは、自分達の息子や娘、きょうだいが犯した軽率な行動の結果、国に多大な迷惑をかけたことを謝罪するどころか、
3馬鹿を拉致した武装勢力の要求を呑んで、自衛隊をイラクから撤退させろと居丈高に要求したのです。
彼らのバックには自衛隊のイラク派遣に反対する左翼グループが控えていたらしく、手回しよく自衛隊のイラクからの撤退を要求する署名を集めて政府の担当者に手渡していましたが、
国会の審議を経て正式に決まった自衛隊のイラク派遣を、外務省の勧告を無視してイラクに入った、日本国民である以外、なんの取り柄もないクズみたいな連中のためになんで撤回しなければならないのか!
と国民の怒りが湧き起こり、3馬鹿とその家族は袋叩きになったのです。
あと記憶に新しい「祭り」としては、2006年に起こった「さくらちゃん募金事件」があります。
NHKの職員夫婦が心臓移植の必要な難病に罹った自分の娘を救うために移植に必要な費用、1億3000万円の募金を呼びかけたのですが、
この夫婦が二人ともNHKの幹部職員で、夫婦の年収が二人合わせて数千万円にも上ること、さらに高給に加えて不動産価格が1億にもなる家に住んでいることが明るみに出て、ネットを中心に猛烈な批判が沸き起こったのです。
夫婦は批判を受けて、渋々といった感じで3000万円を自己負担しましたが、本来ならば、娘の治療のために自宅を売り、退職金の前払いを受けて費用を捻出すべきところを、
自分たちの生活レベルを落とすことなく、すべて一般国民の善意から出た寄付金で費用を賄おうとしていた、その虫の良い考え方に対する非難の声は鳴り止みませんでした。
その少し前にNHKのソウル支局長が数千万円を使い込みしたことがバレたにも関わらず、クビにもならずに配置転換されただけに終わったという事件があったばかりで、
国民が納めた受信料で贅沢三昧をしているNHK職員に対する国民の怒りも背景にあったと思います。
私個人としては、この募金の代表発起人である永井某という人物が、あの悪名高い「女性戦犯法廷」なるものを放映した番組のチーフプロジューサーだったことに抵抗を覚えました。
この「女性戦犯法廷」なるものは、バウネットジャパンという反日フェミ団体が北朝鮮の工作員を検事役に仕立てて主催し、昭和天皇を戦争犯罪人として裁いた模擬裁判ですが、
このような反日的な裁判を公共放送であるNHKで放映するという非常識なことを行なったこの永井某も当然、反日サヨク思想の持ち主で、
バウネットジャパンが、番組が政治家の圧力によって改変されたと主張して裁判を起こしたときには証人として出廷し、バウネットジャパンに有利な証言を行なっています。
腹が立つのは、こういう反日サヨクに限って、なにかあればすぐに、図々しく日本人の善意にたかって金を得ようとすることです。
特にNHK職員の場合は、日頃から国民が納める潤沢な受信料を使って仕事をし、そこから給与を受け取っているせいか、個人的な目的のために国民の金を使うことに対して、なんの抵抗も感じないようです。
そもそも、心臓移植というのは、費用が高額であることを別にしても、そう簡単に実施できる医療行為ではありません。
まず第一に、難病に罹っている子供が心臓移植を受けるためには、だれか別の子供が死ぬ必要があるのです。
また日本人の子供が大金を払ってアメリカの病院で心臓移植を受ける陰には、高額な医療費を払えずに死んで行くアメリカの貧しい子供たちの存在があります。
それでも心臓移植手術を受けさせて子供の命を助けたいと考えるのが親心というものでしょうが、
そういう親心というものは本質的にエゴイスチックな心情であることを自覚していたならば、そう簡単に募金に頼ろうという気持ちにはならないはずです。
このNHKの職員夫婦みたいに費用を自己負担できるだけの経済力がある場合は、尚更です。
ところが実際には、「幼い子供の命を救うための募金」という美名の下に、集った募金で贅沢な生活をしている親たちがけっこういるそうで、
この事件ははからずも、そのような日本人のモラルの低下を明るみに出す結果になったわけです。
そのほかにも、妻が自転車に乗っていたときにバスに幅寄せされたとバス会社に抗議して、謝罪に訪れたバス会社の職員の本名と写真をブログで公開して揶揄嘲笑した雑誌記者とか、
アルバイト先のコンビニに来た病院帰りの包帯だらけの客の写真を撮り、「キモイ」というコメントをつけてブログに掲載した大学生とか、
非常識な自分の行動を恥ずかしげも無くブログで公表した人間に対して、そのブログに非難のコメントが殺到し、ブログが「炎上」することがよくあります。
ネットの怖いところは、そういう人物の本名や仕事、家族環境などがあっという間にネットで晒されて、勤務先の会社や通っている学校にまで抗議の電話が殺到することです。
プライバシーに配慮して、顔にモザイクをかけたり、実名を伏せたりするテレビのワイドショーと違って、ネットの攻撃はもっと直截で、容赦がなく、
攻撃を受けた人間が傷ついても、それは本人の自業自得とされ、同情されることはないのです。
そのうち、日本人はやっていいことと悪いことの区別をネットで学ぶようになるのではないでしょうか。
by jack4africa
| 2008-10-10 00:50
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